料理が得意でないと感じている人の中には、「毎日の食事メニューを考えるのが苦痛だ」という意見をよく耳にします。実際、料理そのものよりも「何を作るか」を考える方がストレスになっているケースが多いのです。（※かんたん宅食ガイド ラクタさん アンケート結果より）
私自身、これが食べたい！というメニューが浮かばない日もあり、そんな日はメニューを決めるのに難航してしまうことも。
なぜ、私たちは毎日のメニューを考えることに苦痛を感じるのでしょうか？そして、その煩雑さを軽減し、日々の食事メニューを考えることを楽にする方法にはどのようなものがあるのでしょうか？
管理栄養士の皆さんは、指導者として、対象者がこのような悩みを持っていた時にどう提案するか？を考えながら読んでみてくださいね。
一般のご家庭で人気の高いサービスも合わせてご紹介しますので、「こういうサービスも便利なんですよ」と栄養指導などの引き出しとして役立てて頂けると嬉しいです。
なぜメニューを考えるのが苦痛なのか
1. 毎日の決断疲れ
現代社会では、私たちは日常生活の中で多くの選択を迫られています。仕事や家庭、プライベートの場面でも常に何かを決めることが求められ、これが「決断疲れ」を引き起こします。毎日の食事のメニューを考えることもその一つであり、特に料理に苦手意識を持っている人にとっては、何を作るかを決めることが一日中の疲れに拍車をかける要因となります。
「今日は何を作ろう？」と考えるだけで、心が重くなることはありませんか？これは、単に選択肢が多すぎるために、頭の中でうまく整理できず、ストレスが生じてしまうためです。また、同じメニューを繰り返すことへの抵抗感や、栄養バランスの取れた食事を作りたいというプレッシャーも重なることで、さらに決断することを難しくさせているのです。
2. 栄養バランスへの不安
健康に気を遣っている人ほど、「毎日きちんと栄養バランスを考えた食事を作らなければならない」というプレッシャーを感じることがあります。しかし、どの食材をどのくらいの量で使うと栄養バランスがこうなって・・・・と家庭で考えることは大変なことです。結果的に食事作りが面倒に思えてしまうのです。
特に忙しい日々の中で、「手軽さ」と「栄養」を両立させるのは難しく、多くの人がこのジレンマに悩んでいます。このような不安が、食事の準備自体を負担に感じさせ、日々のメニュー決めが苦痛に感じられる原因の一つとなっています。
3. バリエーションへのこだわり
バリエーションへのこだわりも、メニュー決めを難しくする要因です。
家庭では、自分だけでなく家族の好みや要望を考慮しなければならないですよね。「ピーマンはダメ」「酢の物はダメ」などと制限が多くなり、結果的にいつも似通ったメニューになってしまう・・・
家族の食事を作る方なら、だれもがあるある！と口をそろえて頷くのではないでしょうか。
ところが、同じ料理が続くことへの不満や、飽きないように工夫しなければならないというプレッシャーもありますよね。制限がある中で様々なバリエーションを考えなければならないことも、毎日の食事メニューを考える上で大きなハードルとなっているのです。
メニュー決めを簡単にするためのヒント
食事の時間は毎日やってきますから、メニュー決めの苦痛からは誰もが逃れたいものですよね。下記にヒントをいくつかご紹介します。
1. 定番メニューを作る
毎日のメニュー決めを簡単にするためには、まず「定番メニュー」を決めておくことが有効です。たとえば、月曜日はカレー、火曜日はお肉料理、水曜日は魚料理、というように曜日ごとに決まった料理をローテーションさせる方法を取り入れると、毎日新しいメニューを考える負担が軽減されます。
また、定番メニューに少しずつバリエーションを加えることで、飽きることなく続けることができます。例えば、カレーでも野菜カレーやチキンカレー、シーフードカレーといった具材のバリエーションを取り入れると、毎週同じメニューに感じることはありません。
我が家では疲労がたまりがちな金曜日は麺料理の日となっています（笑）
焼きそば、塩焼きそば、ビーフン、あんかけラーメン。お肉とたっぷりの野菜を入れ、麺料理にありがちな栄養価のアンバランスさもカバー。手軽で、家族全員が好んで食べる定番メニューです。魚介など、さまざまな食材との相性も良いので、冷蔵庫整理にもぴったりですよ。
2. まとめてメニューを考える
忙しい平日に毎日メニューを考えるのは大変なので、買い物の前に1週間分のメニューをまとめて決めておくと非常に便利です。この方法は、平日の決断疲れを軽減できるだけでなく、買い物の効率化にも有効です。食材も計画的に使用できるようになり、無駄を省くこともできますよ。
（子連れでの買い物は大変なので、私はできるだけ少ない回数で済ませるようにしています！）
1週間分のメニューを考えるのには頭を使いますが、残りの週６日は何も考えなくて良いのです。
例としては、我が家ではキャベツ・玉ねぎ・人参・ピーマン・もやし・じゃがいもを使って、いくつかの料理に展開します。例えば、カレー、ポトフ、それから「金曜日の麺料理」！（笑）
半端に残った部分は切ってスープに活用すると、無駄なく使いきることができますよ。
3. 食材キットやオンラインサービスの活用
料理に苦手意識がある人にとって、最近人気の「ミールキット」やオンラインの献立サービスは大きな助けとなりますよね。
ミールキットでは、必要な材料が既に揃っているため、メニューを考える手間や食材の買い出しのストレスを軽減できます。また、レシピも一緒に提供され、調理の手間も簡素化されるので忙しい人の見方！管理栄養士が監修したメニューは栄養バランスも良く、かつ出来立ての美味しさが味わえます。
「手軽に自炊したい」という層から絶大な支持を集め、近年ユーザーが増えています。
（実は筆者自身も愛用者です。マンネリしがちな食卓に一風新しい献立ができるので、毎回楽しみにしています。）
たとえ自身は利用しなくても、どのようなサービスか、どのような人におすすめか、を把握しておくことは管理栄養士にとっても有意義です。下記に人気のサービスをいくつか示しますので、参考にしてみてくださいね。
4. 余裕を持って「手抜き」を認める
毎日完璧な料理を作らなければならないというプレッシャーを軽減するためには、時には「手抜き」を認めることも大切です。忙しい日や疲れている日には、冷凍食品や簡単に調理できる食材を活用することも一つの方法です。手軽な食材を賢く使い、栄養バランスを保ちながら、無理なく続けられる食事作りを心がけましょう。
献立作成サービスを利用する
献立作成サービスを利用するのもおすすめです。
例えばココナラでは管理栄養士が献立作成サービスを展開しています。
家族の好みや調理時間、栄養バランスなど様々な条件を考慮した献立作成を依頼することができるので、特に「調理は嫌いではないけどメニューを考えるのが苦手」という方にはこういったサービスを紹介すると喜んで頂けます♪
まとめ
毎日の食事メニューを考えることが苦痛だと感じる理由は、決断疲れや栄養バランスのプレッシャー、バリエーションを求めるこだわりにあります。しかし、定番メニューをローテーションさせる、まとめて献立を考える、ミールキットを活用するなどの方法を取り入れることで、メニュー決めの煩雑さを軽減することができます。
料理に対するストレスを少しでも軽減し、楽しく続けられるよう、まずは色々な選択肢を持つことが効果的です。
管理栄養士としても、様々な手法から対象者の方にあった方法を提示できると良いですよね。
皆さんの毎日の食事作りの負担が少しでも減らせるよう、本記事がお役に立てると幸いです。
